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2011年江の島インカレ総括 in 外道無量院


「展望特別版」を読んだ諸君は事前に知っていた通り、「微・軽風に終始」した大会となった。

終って見れば、470級・関西学院とスナイプ級・日大の各クラス優勝チームは「英語」が無く、総合を勝った日大は、両クラスを通じ、その「英語」が1つ、という差で勝負がついた。


それでは、今年の大会を総括させてもらう。


470級

過去8回出場したうち、6回優勝で、今大会は同一クラス優勝としてもタイとなる4連覇を狙った大本命の日経大は、出足で躓いた(第1レースでOCS、続く第2レースでBFD)まま、脆くも崩れ去った。

「3艇レギュラー全てナショナルチーム」で臨んで5位と敗れた前回の江の島大会(2005年)の再現を見ている様であった。

今年は、エース・スキッパー土居一斗以外の選手は、スキッパー/クルーを問わずに全選手が乗り代わりを体験し、最終レースとなった第6レースでは、1艇がスタート直後と第1~第2マーク間で、ジュリーから2度の「笛」を吹かれてリタイアするというトドメを刺された。470級片クラスに特化しながらの6位は、2003年の西宮大会でインカレに出場して以来、自己ワーストの結果だ。全6レース通じての「英語」の合計は3つ。

昨年20.00点/レースだった平均スコアは、72.5点/レースとなる惨敗であった。

さて、優勝した関西学院。

微・軽風と強い潮に各チームが苦しんで大きくスコアを崩す中、49.83点/レースと、唯一平均50点を切るスコアを残し、2007年の琵琶湖大会以来、4年ぶりの優勝を遂げた。冒頭に述べたように、優勝した関西学院470級チームの成績表に「英語」はない。

2位日大に12点差を付けてトップに立って迎えた最終日。霧で視界が利かない中、時刻からして残りは1本の状況でスタートとなった。エース・笠井艇はアウター、二番艇の松下艇は真ん中、三番艇の西尾(駿)艇は本部船というようにリスク分散してスタートしたように見えた。しかし、本部船近くの西尾艇は微風下の第二線以下にもがく明らかな失敗スタートとなった。追う日大は第1マークで20番前後に3艇揃えたのに対し、関西学院は、笠井艇が5番前後ながら、残りの2艇が50番台中盤以降と、明らかに「日大逆転」の様相。

しかし、意外な事に、ここで焦ったのは関西学院では無く、「完全優勝」がチラついたのか、逆に日大の方であった。

マーク毎に順位を挽回してくる関西学院勢に比べ、日大の後続2艇が、約10艇分程順位を落とす。

関西学院・笠井艇が4着でフィニッシュした後、日大の3艇が続いてきたが、出遅れた関西学院の残り2艇も第4マーク付近では日大勢に肉薄していた。最後は、スタートで出遅れた西尾艇が潮を考慮して艇団を離れ、落としたコースを引いたことが当たって約20艇を抜いて日大勢3艇に先着し、勝負を決した。

前日に70点差以上(470クラス)あった早稲田は、7、9、11着と、今大会中ベストの走りを見せ、終って見れば1位・関西学院299点(「英語」なし)、2位・日大340点(同1つ)、3位早稲田344点(同1つ)という、「英語」の差が明暗を分けた結果となった。

関西学院470級チームリーダーの笠井大樹(4年・啓明学院)は、高校時代にインターハイFJ級ソロと国体SS級の2冠王者スキッパー。大いに期待されて内部進学(啓明学院は関西学院の系属校で、ヨット部は「KGセーリングクラブ・ユース」として、関西学院高等部と一緒に活動)してきたものの、1年生時は470級のクラス優勝(2連覇)、2年生時は総合優勝を、自らの「英語」で2度も台無しにした張本人でもあった。最終学年の今年は、過去の失敗を教訓として見事にチーム全体を「英語なし」でまとめて切って栄冠に導いた。

クルーの俣江広敬(2年・関西学院高等部)も同じくKGセーリング出身。2番艇スキッパーの松下結(3年・長崎工)は、今年度の全日本女子インカレの470級チャンプスキッパー。同クルーの伊川潤哉(3年・桃山学院)は大学進学後からヨットを始めた一般入学者。3番艇の西尾駿作(2年・関西学院高等部)は、西尾将志主将(スナイプ・スキッパー・4年・関西学院高等部)の実弟でKGセーリング出身、同クルーは溝上遣斗(3年・中村三陽)。


スナイプ級/総合

5年ぶりに関東インカレを制覇し、メインセールに「N.」という赤のスクール・ロゴを付け、何処から見ても「日大スナイプ」と分かる井手達で登場して来たのは自信のあらわれだったのか?

*ちなみに、関東インカレで早稲田に敗れた470級チームはメインに「N.」は無い。

その日大スナイプが、やはりシリーズを通して「英語」無しでからくも逃げ切った。これに対して、2位・早稲田は同2つ。3位・同志社、4位・慶應が共に同無しで乗り切ったのに比べ、5位・関西学院が同2つ、とクラス優勝争いのみならず、「総合」優勝争いまで、ここでも「英語」が明暗を分けた。

2日目の3本終了次点で、1位・日大116点、2位・同志社120点と2チームが順調なスタートを切ったのに比べ、3位・関西学院189点(「英語」1つ)、5位・早稲田235点(同2つ)と、早くも「英語」が明暗を分け、3日目の5本終了時には、なおも「英語」無しの日大に対し、関西学院が2つ目を叩いて脱落。同志社も「英語」こそ無かったものの、懸念した3番艇が大きく叩いて日大独走に近い形勢であった。

そうしてトップの日大が、2位・同志社以下に90点以上の大差をつけて迎えた最終レース。

ここで、硬くなったのか、慎重に行き過ぎたのか?

それまでは見た事が無かったような光景が目の前で起こった。日大の3艇が揃って微風下での第2線に沈んだ失敗スタートとなったのだ。

第1マークでは、3艇揃って40番以降の回航となり、クラス優勝はおろか、快調に加藤艇のトップ回航を含めて上位に固める早稲田や、西尾(雅)艇、小栗艇の2艇がシングルで回航した関西学院に総合の優勝争いまで危うくなる予感。

早稲田が1、5、16着、関西学院が2、3、36着と大幅に点差を詰めてフィニッシュ。日大は、エース・小又艇(主将)がフィニッシュまでに何とか24着まで挽回した後、40番台半ばで残りの2艇が続いてフィニッシュ。

前日まで2、3位の同志社や慶應を含め、スナイプでのクラス優勝は僅差の争いとなって海上では分からず、総合優勝も470で日大との点差を付けた関西学院、早稲田を含めて「三つ巴」の僅差の計算次第となった。

着岸後も、日大の渡邉整市監督はレース本部発表の両クラスの得点結果が発表になるまでの間、支援艇「さくら」の艇上で待機して上陸せず、報告を待ったという。

結果はご存知の通り、日大のスナイプ級、そして、総合の2冠となった。

日大のスナイプ級優勝は1997年の小戸大会以来14年ぶり、そして総合優勝は2006年の同じく小戸大会以来5年振り。

エース艇の小又友和(4年・霞ヶ浦)スキッパーは主将。入学以来、日大としては不本意な成績が続いたチームを良く立て直した。総合優勝を争った関西学院・西尾将志と早稲田・横田敏一が、どちらも、主将自らが「英語」を叩いて足を引っ張ったのに比べ、最終レースの大ピンチの場面ではパニックに陥らず、自らが順位を上げて何とか、「優勝旗2本」を手中にしたのだ。同艇のクルーは稲垣奈巳(4年・海津明誠)。今年度の全日本女子インカレ・スナイプ級チャンプ・スキッパーだ。2番艇、3番艇のスキッパー、堀内宣栄(4年・吉田)、安藤嶺(3年・別府青山)の両名も春以来、小又と不動のレギュラースキッパーを通した。2、3番艇のクルーは、競争の激しい1年生の中から抜擢された塩谷涼(1年・高松工芸)と、ベテラン・小野新(4年・土浦日大)がシリーズを通して起用された。

両クラス合わせての「英語」の数は、日大が1つ、関西学院が2つ、そして早稲田が3つ。

総合得点は、1位・日大656点、2位・関学675点、3位・早稲田684点と、30点未満の僅差であるのだから、この三校は何処が優勝してもおかしくは無かったのではないだろうか?さらに言うと、4位以下は、そこから100点以上空いて、4位・慶應が2つ、5位同志社が1つだったことから、明らかに「日関早の3強」での争いだったのだ。

日経大の470級4連覇、早稲田のスナイプ級3連覇と総合の4連覇
は、全て失敗。連覇記録は今年で途絶える事となった。

来年は5年ぶりとなる琵琶湖開催とのこと。

連覇を狙う日大にとっては、今年開催の江の島とは反対に未勝利という相性の悪い場所だ。470級特化の日経大にしても、またしても勝てなかった江の島と琵琶湖は未勝利の「鬼門」。

地元勢の同志社、立命館など、逆に相性の良いチームも控え、今から考えただけでも混戦模様。

2008年から2010年まで3年間も変らずに続いた「早慶関関」の序列関係に、名門・日大が完全復活して殴りこんで来た構図に変化した。

さて、恒例により、より深部に踏み込んだ「特別版」を今年も希望者にのみに配信する。

希望者は、QZT00265@nifty.ne.jp  まで、メールにて要求の事。

締め切りは11月15日。締め切り翌日には折り返し返信にて送付する。

4年生諸君、お疲れ様でした。

合掌

外道無量院
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