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2011年全日本個選・解説と展望 by 外道無量院

3月11日に発生した東日本大震災の大混乱で始まった2011年シーズン。

直接の被害が大きかった東北水域は勿論、関東の春季インカレが中止になるなど、直接・間接に大きな影響があった。

そうは言っても9月に入り、いよいよ「全日本」のタイトル争いをする季節。
例年どおり、従来の舞台である蒲郡・海陽に戻って9月2~4日行われる、「全日本学生ヨット個人選手権」の展望と解説をしてみよう。

過去2年間に渡って両クラスの個選チャンプを独占し、有力校の中で主軸となってきた活躍してきた「チョンマゲ世代」(野球界なら「ハンカチ世代」)が卒業して抜け、フレッシュな顔ぶれでの優勝争いとなりそうだ。丁度、開幕に合わせた様に本土接近中の台風12号の動きが気になるが・・・・・。

展望と解説に入る前に、ここで、九州学連の「英断」についてまず紹介したい。

本来、「全日本個選」は各水域での個選、すなわち、水域ごとに割り振られた「枠」を争っての「予選」を戦って勝ち抜いた者にのみ参加資格が与えられる。

今年、ユニバーシアード代表に選ばれた日経大の土居/磯崎組と徳重/外薗組は日程が重なり、「水域予選」に出場できない見通しとなった。そこで、九州学連としては、その2組には「特別枠」として本選出場権を与え、予選選出枠を2つ減らすという「英断」を下したのだ。クラスは異なるが、2年前にジュニアワールド出場の為、似たようなケースが他の水域であった事を覚えている方も多いだろう。その時は、ジュニアワールドで準優勝したペアを含め、「予選不出場」を理由に遠征した2組は全日本個選でその姿を見る事はなかった。その水域学連の判断は、今回のケースと対照的であったのだ。

読み進むと、スナイプ級で今年の「本命」に挙げた同志社・西村艇がジュニアワールド(&ワールド)に出場した件に触れているが、その絶対的「本命」に挙げた西村艇でさえ、「6位」だった事を考えると、2年前に「準優勝」艇をオミットした事が如何に愚かな判断であったことか分かるとだろう。

今後もこのようなケースが起きる事は多々あるだろうし、また、その対応策への意見も様々だろう。しかし、結果的に必ず生まれるその年の「全日本個選チャンピオン」の「価値」を考えた時、実力者をオミットしてしまった場合とそうでない場合、どちらの方がより「価値」が高いかを考えれば、どのような判断の方が正しいのか、結論は明らかではないのか?

加えて、水域学連の判断のみならず、全日本学連としての対応を含め、一考を要する課題ではないだろうか。

470級

昨年の蒲郡・全日本インカレでクラス3連覇を達成し、この個人選手権でも昨年の地元・小戸開催では敗れたものの、その前年までは異なる選手で3連覇していた日本経済大勢。今年は、ほぼ水域枠(6枠)独占に近い創部史上最多の5艇を送り込んで来る。

エース格の土居一斗(2年・福岡第一)/磯崎哲也(1年・福岡第一)組は、おそらく、この翌週に行われる和歌山でのナショナルチーム入替戦まで視野に入れての遠征だろう。「NT入り」を目指すからには、「学生相手」に負けてはいられない。

メダルを期待されたユニバーシアードでは本来の力を発揮できずに目標達成は成らなかったが、2年生にして早くも「クラス4連覇」を確実視される最強チームのリーダー格として、「本命」に挙げさせてもらう。異論は無かろう。

土居艇と同じくユニバ出場組で、ミックスで銅メダルを獲得した徳永エリカ(4年・錦江湾)/外薗潤平(3年・鹿児島商)組や、チーム内でのレギュラー争いにケリをつけつつある伸び盛りの岩下哲也(2年・長崎鶴洋)までの3艇は間違いなく優勝争いに絡みそうだ。

残る今村亮(3年・羽咋工)、波多江慶(3年・福岡第一)らのスキッパー陣も、主将・内野航太(4年・長崎鶴洋)、安田真世(4年・博多女)、橋口修三(2年・長崎鶴洋)らの強力なクルー陣と組んで出てくる。

前にも書いたと思うが、日経大の強さの基本は、スキッパーとクルーが「協力関係」を構築して真に「ダブルハンド」として機能している点である。他のチームも大いに見習うべきであろう。土居艇が負けるとするとチーム内か?

序文に書いた理由で「4枠」となった九州予選を日経大独占から守ったのは福岡大の後藤亘(3年・中村三陽)/田中章文(4年・宇部中央)組だ。部員不足から必然的に水域内での交流が進み、福大470チームは日経大チームとの合同練習をする機会が増え、高いレベルで揉まれる、という副産物を生んだ。後藤は、堀川・前監督が福大と中村三陽高の両監督を兼ねていた時代の「遺児」でもある。

「名門」の意地を見せてくれるか?

ここ数年の低迷状態を脱すべく、リクルート面を含めて総合的に昨年の秋から最も熱心に取り組んできたと思われる日大勢。植木剛史(3年・磯辺)/高木優子(4年・海津明誠)が関東個選チャンプに輝いた。植木は、国体で少年男子SS級を制し、期待されて入学。すぐにレギュラースキッパーの地位を獲得したが、以後の伸び悩みは否定できなかった。しかし、昨秋以降の猛練習やこの春の有力な1年生多数の入部に刺激を受け、いよいよ今シーズンに素質開花か?

日大勢は他にも春のユニバ予選で日経大勢を相手に善戦した中村睦宏(1年・中村三陽)/芹澤暢孝(4年・土浦日大)組とチームリーダー・武次祐太朗(4年・長崎総科大付)/清原遼(1年・中村三陽)組と、力の揃った3艇を送り込んでくる。しかし、中村艇は素質は認めるものの、関東個選でも「DSQ」2つと、まだまだ荒削りな面が不安。関東個選では今ひとつさえなかったが、本選では武次艇が、「エース」の意地を見せてくれるか?

全日本インカレ総合3連覇中の早稲田。エース格の市川航平(3年・早大学院)/石橋賢人(3年・早大学院)組、西村元(4年・清風)/坂和陽介(4年・鎌倉学園)組、そして山口祥世(2年・長崎工)/大矢勇輝(4年・清風)組と3艇を送り込んでくる。もちろん、3艇とも入賞圏内には絡んでくる力はあるだろうが、「タイトル」を奪取するまでには力不足か。

昨年の全日本インカレで、クラス3連覇を達成した日経大勢相手に大健闘した慶應義塾からは2艇のみとなった。昨年躍進の立役者、中澤太郎と渡部博斗という優秀なクルー2名の卒業が大きく響いたのか、リーダー格の秋山玄(4年・慶應藤沢)がまさかの予選落ちは痛い!しかし、今やエース格となった飯野啓太(3年・慶應)/小野正人(3年・山手学院)組が今シーズンは良く走っている。加えてエース・クルーとなった昨年の個選チャンプクルー・小川晋平(3年・慶應)がリードする西内翔(3年・慶應)スキッパーが急成長しているので楽しみだ。

他の関東勢では、何とか伝統を守りたい法政の牟田口駿(3年・唐津西)/小田啓太(4年・武蔵丘)組、日本一豪華な合宿所が新築された中央の釘打康平(4年・修猷館)/木村将大(1年・青森工)組と杉浦慎太郎(3年・碧南)/市川拓海(2年・逗子開成)組、そして近年、最も大学側の熱心な取り組みが目立つ明海の古谷裕介(2年・聖光)/宮崎俊介(3年・霞ヶ浦)組、ここ数年、急にOBがリクルート活動に熱心に動きだした明治の間宮正貴(3年・逗子開成)/福永和裕(2年・巣鴨)組あたりまでが入賞圏に手が届くか?

日本最大規模を誇る関西大の突然の不参加で、ライバル関西学院勢が独占するかと思いきや、そう簡単にもいかなかった関西水域。復活を期して再建中の近畿大や、思わぬ臨時指導者を得て急成長した和歌山大、創部50周年に向けて強化中の甲南大や伝統校・大阪大を含んで、本来(関大参戦の場合)なら「最激戦水域」と化している。

高校時代にインターハイと国体の2冠を制し、大いに期待されて入学したものの、下級生時代は全日本インカレの大事な場面で失態を演じて続けて来た笠井大樹(4年・啓明学院)も最上級生となった。最後の年の全日本個選には、過去3年間の雪辱を期し、関西個選チャンプとして本選に臨む。クルーは、小柄ながら身体能力抜群の俣江広敬(2年・関学高等部)。続く2番艇の西尾駿作(2年・関学高等部)/溝上遣斗(3年・中村三陽)組も、ほぼ匹敵する力を持つ。残る3艇目には若林沙優実(4年・星林)/疋田大成(1年・別府青山)組が出場を決めたものの、レギュラー争いの中心、松下結(3年・長崎工)/佐藤就(2年・中村三陽)組が、「関大欠場」にもかかわらずに落選したのは何故だ?

しかし、この水域に関しては、何といっても残念なのが関西大勢の欠場。実力派女子スキッパー陣、後藤沙季(4年・別府青山)と濱田華帆(3年・別府青山)や、豊富な練習量と激しいレギュラー争いに鍛えられて年々見違えるように進歩してきた見事なクルーワークが見られない。昨年、あわや史上初の470級女子スキッパー個選チャンプ誕生か(結果は、前年チャンプと当年チャンプの間に挟まった準優勝)、という活躍を見せてくれた大曲昭子の快走も記憶も新しい。その後継者達を、今年は日経大勢に対抗出来る最有力候補と見ていただけに非常に残念だ。

万難を廃してインカレには出てきて欲しいモノだ。

後は、和歌山大が2艇、近畿大から1艇の参加だ。全国の舞台で通用するか?

近畿北陸水域からは、昨年の7月以降のシーズンを棒に振った立命館が、2年分の思いを込めて山本崇(3年・光)/小林研介(2年・長野日大)組、中塚直人(主将4年・清風)/永井晋太郎(2年・別府青山)組、松永貴美(4年・海津明誠)/古川駿(2年・海津明誠)組の3艇を送り込んでくる。

ライバル・同志社からは奈良大樹(2年・別府青山)/東野竜弥(3年・大阪国際大和高田)組、豊田(2年・別府青山)/西野裕太朗(1年・清風)組の2艇のみの出場だ。

しかしながら、5月の「関関同立」定期戦を見た印象では、このクラスでの「同・立」勢と「関・関」勢との力の差は実に明白だった。まだまだ個選での優勝争いまでを期待するのは難しく、恵まれた場合の入賞圏が精一杯だろう。


結論


「5艇出し」の日経大勢に対して、他の水域の上位艇が通用するか!?

◎・・・・・・・・・土居/磯崎組(日本経済大)
〇・・・・・・・・・徳重/外薗組(日本経済大)
▲・・・・・・・・・植木/高木組(日本大)
△・・・・・・・・・市川/石橋組(早稲田大)
△・・・・・・・・・飯野/小野組(慶應義塾大)
△・・・・・・・・・岩下/橋口組(日本経済大)
△・・・・・・・・・武次/清原組(日本大)
△・・・・・・・・・奈良/東野組(同志社大)
△・・・・・・・・・笠井/俣江組(関西学院大)
△・・・・・・・・・牟田口/小田組(法政大)
△・・・・・・・・・釘打/木村組(中央大)
△・・・・・・・・・今村/内野組(日本経済大)
△・・・・・・・・・後藤/田中組(福岡大)

*スキッパー/クルーの組合せは変更になる可能性アリ。
基本的に水域大会を中心としたこれまでの組合せを想定。



スナイプ級


今年の全日本インカレ・江の島開催を見越して、シーズン当初から関東遠征を重ねてきた同志社大勢。西村秀樹(3年・中村三陽)/平田恵一(2年・開智)組は春先から評判が高い。この夏にはジュニアワールドとワールドの両方を経験し、更に磨きが掛かったか?学生間では今や「敵無し」の声も高く、社会人相手にもたびたび健闘を見せてきた。ここは、ビッグタイトル獲得のチャンス到来。素直に「本命」に評価する。また逆に、同志社からはこの「1艇のみ」に象徴されるように、「チーム」としてはまだまだ苦しい。

同志社関係者としては、今年期待出来る唯一の「タイトル」としても外せない一戦だろう。

470で日経大と死闘を繰り広げてきた2年前までとはガラリと変り、今年はスナイプでのクラス優勝を狙える布陣に変身を遂げた関西学院。エース艇の西尾将志(主将4年・関学高等部)/太田亮(3年・赤穂)組を「対抗」と評価する。僚艇の若竹翔平(3年・別府青山)/辻川亮太(4年・中村三陽)組、関西個選を制した小栗康弘(2年・中村三陽)/山本千紗(3年・追手門学院)組らとともに遠征してきた東日本スナイプでは、ほぼ全風域に渡って関東勢を上回る走りを見せた。

他、関西水域からは、甲南大が2艇、大阪大が1艇を送り込んで来る。全日本の舞台で入賞圏に絡む走りが出来るか?

昨年の無念を晴らすべく、雪辱に燃える立命館からは曽和慎也(4年・中村三陽)/平田尚也(2年・長野日大)組、中武唯(4年・博多女子)/岩井俊祐(2年・桑名)組、柳沢慎太郎(3年・逗子開成)/橋元健斗(2年・芦屋)組の3艇が出場。遠征に出かける事も少なく、何といっても昨年の実績が無いので印象が薄いだろうが、ノーマークに扱うと痛い目にあうだろう。どの艇も有力候補と見る。昨年は個選もインカレも水域大会から、その「舞台」すら踏めなかった、という自分達の無念に加え、この春、その無念を抱えたまま卒業していった先輩達に報いるためにもスカッとした走りを期待したい。

このクラスを全日本インカレと全日本個選の両方で2連覇中の早稲田。古谷信玄と木内蓉子の「2枚看板」が揃って卒業した大幅な戦力ダウンを補充すべく、横田敏一(主将4年・中村三陽)をコンバートした。その横田が、昨年の全日本個選チャンプ・クルー井阪智(4年・早大学院)を乗せ、2位にダブルスコアの圧勝であっさりと関東個選チャンプに輝いた。もう1艇、前島雄太(4年・早大学院)/小林誠(4年・関東国際)組もこの夏の成長株だ。一方、エース級の走りを期待していた加藤文弥(3年・海津明誠)/三ツ木駿(2年・明治学院)があわや落選か、という14位通過、というのは何とも期待外れだった。さらに「次点」15位落選も、上位に辞退艇も出る、という話も聞くので、新人・山口優(1年・唐津西)/塩出真依子(4年・宝塚北)組の女子ペアも4艇目として繰上げ出場か?

「打倒早稲田」に燃える日大からは、エース艇の小又友和(主将4年・霞ヶ浦)/伊村仁志(1年・碧南)組、安藤嶺(3年・別府青山)/芳田翔平(4年・中村三陽)組、堀内宣栄(4年・吉田)/塩谷涼(1年・高松工芸)組のレギュラー陣に加え、関東女子チャンプで関東個選も2位と健闘した女子ペアの稲垣奈巳(4年・海津明誠)/古屋佳帆(1年・吉田)組、西宮敬宏(3年・霞ヶ浦)/小野新(4年・土浦日大)組という、日経大470勢と同じ、大量・5艇のエントリー。

「名門・日大」が、蒲郡で復活を果たすか!?

その他の関東勢は、関東学院、慶應義塾、中央、明治、明海、そして横浜国から各1艇のみが予選を通過。「日・早」の2大勢力にその他は圧倒された感があるが、それぞれチームの代表として本選での健闘を期待したい。

東の横綱・日大が復活となれば、西の横綱・福岡大も黙ってはいられまい。470級ではお隣の日経大に歯が立たない状態が続いているが、日大に同じく、「名門復活」はまず、かつてこの全日本個選で1~3位を独占した事もある、伝統のスナイプからか?

今年の九州代表を、鹿屋体育と3艇づつ分け合った形だが、その中から、福岡大の2艇、九富正規(4年・高松工芸)/牟田知洋(4年・唐津西)組と丸子喬央(3年・大分鶴崎)/筌瀬翔吾(2年・福岡舞鶴)組、鹿屋体育の2艇、岡良江(4年・啓明学院)/浜尾英明希(3年・岡山理大付)組、鈴木章央(2年・碧南)/久保風太(2年・鎌倉学園)に上位進出を期待したい。

ここ2年は早稲田からスナイプの個選チャンプが出て、その2年とも全日本インカレのクラス優勝を遂げているが、それ以前となると、近年に至るまで福岡大には多くの歴代チャンプを生んで来た伝統、そしてその意地もあるだろう。是非、ここらで名門復活の切欠を作って欲しいものだ。また、鹿屋体育は全日本インカレでの早稲田・クラス2連覇の前年のスナイプ・チャンピオン・チームでもある。こちらも復活へ向けて、「狼煙」を上げることが出来るか?

地理的条件で、日没時間が遅いことから物理的に練習可能時間が長く、そのメリットが生かせるのは日経大・470勢だけではあるまい。


結論


「孤高の王者」、同志社・西村艇に対し、「5艇出し」の日大勢を筆頭に、3艇以上出場してくる関西学院、早稲田、立命館、そして福岡大が「包囲網」を敷いてどう対抗するか?

◎・・・・・・・西村/平田組(同志社)
〇・・・・・・・西尾/太田組(関西学院)
▲・・・・・・・横田/井阪組(早稲田)
△・・・・・・・九富/牟田組(福岡大)
△・・・・・・・小又/伊村組(日本大)
△・・・・・・・曽和/平田組(立命館)
△・・・・・・・稲垣/古屋組(日本大)
△・・・・・・・小川/金子組(関東学院)
△・・・・・・・加藤/三ツ木組(早稲田)
△・・・・・・・小栗/山本組(関西学院)
△・・・・・・・中武/岩井組(立命館)
△・・・・・・・安藤/吉田組(日本大)
△・・・・・・・丸子/筌瀬組(福岡大)
△・・・・・・・田邊/目黒組(慶應義塾)
△・・・・・・・山崎/本谷組(中央)

*スキッパー/クルーの組み合わせについては、470級と同じ。
以上、出場各艇の健闘と幸運を祈る!!


合掌


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