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2010年第75回全日本インカレ総括 by 外道無量院

「蒲郡の風は裏切らない」

2004年のアテネ五輪前まで、この海陽YH沖が国内でのナショナルチーム選考レースの開催場所となり、12月の極寒の強風下、約1週間にも及ぶ死闘が繰る広げられてきた。2003年12月に行われた選考レースでは、今や、商売大繁盛、「忙しすぎるコーチ」と変身した高木克也や、現在では国内敵無し、「スナイプ番長」を名乗る白石潤一郎が、NT枠の6位まで(当時)に入れず、この地で実質上の470五輪キャンペーンを終えたシーンが、今でも私のまぶたには鮮明に焼きついている。

冒頭は、小松一憲(当時・オリ特コーチ/現・アビームコンサルティング・コーチ)がその選考レースを終えて吐いた言葉だ。

その「蒲郡の風」が吹くには、若干、微妙な開催時期ではあったが、ヨットの神様が、学生各位の日頃の努力に応えたかたちなのか、2日目以降の7本は、疑い無く、「蒲郡らしい裏切らない風」の条件下でのレースとなった。

従って、ごまかしようの無い、非常に「実力どおり」に近い結果が出たのだ。数多くの参加校の中には細かい事情や事件もあり、多少の順番に狂いは出たが、470級日本経済圧勝とスナイプ級・総合の早稲田優勝を含め、総合は「早慶関関日同」に、スナイプでの国立・金沢大の6位入賞。

予想が外れると、「ビックリしましたねえ!」と言ってごまかした、「競馬の神様・大川慶次郎」などは話にならない、我ながら完璧な予想だった。何か文句があるら直接にメールで書いて来い!!



470級では、誰も文句がつけられないという程の日本経済の圧勝に終わった。最終レースを迎えた段階で、2艇が出なくても(+146点)、残り1艇が40番で入れば良いという180点差をつけ、まさに「横綱相撲」。出なくても良い2艇には、4、5番手のスキッパーが当然の如く使われた。それでも、3着、4着、11着という強さ。470級に関しては、このまま他の大学が手をこまねいていては、来シーズン以降も4連覇、5連覇と続くであろう彼らの独走を、いったい何処のチームが止められるのか?クラス優勝の記録である「日大のスナイプ4連覇」に並び、そして越えるとしたら、現在のところ、「日本経済の470」しか考えられない。来年の江の島大会以降の焦点は早くも定まった感がある。特別版では予告もしたが、それにしても、20・00点/レースの平均得点は、少なくとも3レース以上行われた現行ルール上の大会での史上最少の驚異的なロースコアだ。

同級2位の慶應義塾も、10レースで375点。37.5点/レース平均は、例年ならば、充分にクラス優勝に値する得点である。そして、両クラスで「英語」が無かったのも唯一、慶應義塾のみ。佐竹美都子コーチは、冒頭で述べた2003年12月にこの地で行われた選考レースで、鬼コーチ・雜賀秀夫(現・セラヴィセーリングチーム・オーナー)の下、前年NT落ちの4番手から一挙にこの選考レースをトップ通過した。余談だが、現在、日本セーリング界の期待の星となっている近藤愛(当時・ミキハウス/現・アビームコンサルティング・北京五輪代表)は、同じレースで4位とNT落ちを喫した。

そして、佐竹は、その後の欧州遠征に帯同した山本悟(ロス五輪代表・現・プロコーチ)臨時コーチから、究極の五輪キャンペーンのノウハウを吸収、一挙に実力を増して5月のクロアチアでの最終選考(世界選手権)を勝ち抜き、アテネ五輪代表となった。佐竹コーチは、レース期間中の海上では、出場している選手と全く同しビブスを着込み、選手のみならず、コーチ・監督を含むスタッフ全員が「気持ちに一つ」にして戦っていた姿が印象的であった。

「唯一の両クラス英語無しチーム」に象徴されるように、今回は非常に巧く戦い、力は出し切ったが、結果的には「470級」も「総合」も、あと一歩力及ばず、と言ったところか・・・・・。スナイプも、「英語無し」でクラス3位なのだから健闘したと言って良い。惜しむらくは、昨年の12月、わざわざタイに住む私のところに「蒲郡必勝法」を聞きにきた中村将人・前主将(現・三菱商事)に伝授した事のうちの一つ、「乗員の体力強化と増量」について、いまひとつ足りなかった感があったか?

また、特別版を読んだ読者は理解している通り、総合では、昨年の牛窓大会のように、470がスナイプより数多く実施されるようなケースにでもなれば、もう少し点差は少なく、あるいは肉薄、逆転まであったかもしれないか?

どちらにしても、今年は470も総合も戦った相手が悪かった。

470の日本経済も、スナイプ・総合の早稲田も強く、また、見事な戦いぶりだったのだ。

今年の慶應は良く戦った。ここは、潔く勝者を讃えるしか無いだろう。

だいぶ冷え込んで来たので、私も今年はそろそろタイに帰るか・・・。

合掌


前評判の通り、スナイプ級2連覇と総合3連覇を達成した早稲田。

偶然にも、インカレ最終日には、神宮球場で20年ぶりに満員札止めのスシ詰め状態で、「勝ったほうが優勝」という、天皇杯をかけた東京六大学野球リーグ・優勝決定戦の早慶戦が行われていた。決戦のマウンドに立ったのは、斉藤祐樹(4年・早実)。4年前の夏の甲子園決勝で延長15回引き分け、再試合も一人で投げきったヒーロー・ハンカチ王子だ。実は、スナイプ2連覇・総合3連覇の主役、古谷信玄も、この大学4年間の活躍は、ハンカチ王子に優るとも劣らない、非常に立派なものだ。もっと早く、ちょんまげ王子とでも名乗って、売り出していたら、大学ヨットももう少し脚光を浴びられたのだろうか?
野球が一人で出来ないのと同様に、インカレのクラス優勝、総合優勝は一緒に戦うスキッパー、クルーは勿論、それを支える控えの選手という、ハンカチ王子と同じく「仲間」が必要なのは勿論だ。そして、何よりもまだまだ「半分大人・半分子供」に過ぎない現役の大学生を指導する現場に密着したコーチの存在が不可欠なのだ。

冒頭のセリフを吐いた小松一憲がコーチを勤めた20余年間、早稲田のヨット部にも数多くの優秀なセーラーが育った。今をときめく日本470現役選手の第一人者・原田龍之介(アビームコンサルティング)もその一人だ。ただ、不思議な事に、その小松コーチの直接指導した期間中には、近藤/鎌田組という北京五輪出場チームを抱えて実質上、現場にほとんど来られなかった2008年を除いて、インカレでは総合優勝どころか、クラス優勝も無かったのだ。

また、一般には、他に、「畠山監督が就任以降、早稲田は強くなった」、と思われている方々も多いだろう。
しかし、私には疑問だ。
明らかに2008年・神谷航路主将の世代から、「インカレでの戦い方」が変わったのだ。
そこには何があるのだろうか?

つづく・・・・・。

「つづき」は、「特別版」にて。

希望の読者は、「2010年インカレ総括特別版希望」として、下記までメールにて請求の事。

締め切りは、11月12日。締め切り後、返信にて一斉送付する。
なお、「件名」や「本文」が空白ではSPAM扱いになりファイアーウォールに掛かり、届かないので返信不能である旨を加えておく。

QZT00265@nifty.ne.jp
俺に是非を説くな 激しき海が好き

合掌

外道無量院

関連記事

早稲田に勝てなかったのは、悔しいけれど
春インカレ以外は、ずっと早稲田に勝てなかった
わけだから、やはり実力の差は大きかったのでしょう。

根拠もなく、総合も470も優勝できそう・・・なんて
ちょっと恥ずかしい
[ 2010/11/05 17:15 ] [ 編集 ]

慶應は・・・

慶應は良く戦ったと思いますよ。本文にもあるとおり、普通であればクラス優勝に匹敵するスコアでまとめた470チームは、間違いなく今大会の敢闘賞でしょう!!
[ 2010/11/05 20:05 ] [ 編集 ]

船上での入学祝は早稲田角帽でした

古谷信玄君の早稲田入学のお祝いは、横浜YCCに浮かぶ、グランドバンクス42「マイペンライ」でやりました。
2006年12月の寒い晩、バンコクから外道無量院さんが駆けつけて、早稲田角帽をプレゼントしたことがまるで昨日のようです。

ちなみにYCCは日本最古のヨット造船所である岡本造船所関連、かつて関東学連各大学合宿所がならぶ、葉山・森戸以前のインカレセイラーの聖地でした。
[ 2010/11/06 10:29 ] [ 編集 ]

ジュニア時代の恩師でもある私や老舟氏の薦める早稲田進学に対し、高校時代の恩師は、「早稲田に行っても上手くならないからN大が良い」、だの、本人は「楽しそうだからC大に行きたい」だのと言っていたのが嘘のようですね。
合掌
[ 2010/11/07 15:02 ] [ 編集 ]

しかし、今年の関西学院を見ると、約20年くらい前の早稲田を見ているようです。早稲田はそれに気づくまで、15年ほどの長い期間非常に苦しみました。
団結力でいえば日本一のヨット部ではないでしょうか?
ライバルではありますが、来年の復権に期待したいです。
[ 2010/11/18 08:12 ] [ 編集 ]

早稲田OB様、
総合3連覇、おめでとうございます。
5年前までは、片クラスしか全日本に出場出来なかった事を思うと、ここ4年は大いに楽しませて頂きました。
早稲田に「追いつき、追い越せ」が、あと何年かかるか分かりませんが、そのうちに!!
[ 2010/11/18 16:02 ] [ 編集 ]

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