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2010春季関東インカレ展望 by 外道無量院

早稲田の総合2連覇で幕を閉じた昨年11月の全日本インカレから半年、代が入れ替わっての開幕戦がGW中に各水域で開催される。それでは、昨年の全日本インカレ総合1、2位の早慶が参加する春季関東インカレを展望してみる。

470級

昨年のメンバーからスキッパー新郷、クルー作本が卒業で抜けたものの、その穴を西村(3年清風)をスキッパーに、木村(3年学院)をクルーに配して、確りと穴埋めできている。この春の六大学戦(早慶立明法東)、五大学戦(早慶日中明)と連勝、今シーズンも隙を見せていない。最上級生がクルーの今井(4年学院)だけという若いチームだが、昨年からのレギュラースキッパーの横田(3年中村三陽)、市川(2年学院)、クルーの大矢(3年清風)は今年も健在。また、デビュー戦の関東女子インカレでクラス優勝したルーキーのインターハイチャンプ・山口(1年長崎工)までも、起用される場面があるか?いずれにしても、関東での首位の立場は譲れないところだろう。

その六大学戦、五大学戦の両方で2位となった慶應義塾は、エース河合(主将・4年塾高)/小川(2年塾高)組、秋山(3年慶應湘南藤沢)/渡部(4年塾高)組、飯野(2年塾高)/中沢(4年逗子開成)組と、昨年のレギュラー陣全員がペアでそっくりと残るのは強み。河合艇がこの春も「関東敵なし」の圧倒的な走りを見せているので、秋山艇、飯野艇の2艇が、河合艇に僅差でついて行ければ早慶逆転まであるか?いずれにしても、早稲田の対抗格であることは間違いないというか、「総合優勝」を狙うなら、逆に「470優勝」は、必須だ。

名門復活に向け、冬の合宿では今年の全日本開催地の蒲郡現地強化も含め、連日、若手・中堅のOBの指導による猛特訓で鍛えられた日大だが、五大学戦では上述の早慶両チームに遅れをとった。渡邊監督の、
「早稲田に勝ったらハワイに連れて行ってやる!」
という檄が、現役選手をどこまで奮い立たせるか?

以上を3強と予想。

昨年の470レギュラースキッパーの主将をスナイプにコンバートした法政と明治、加えて中央の3校は関東上位常連組だが、昨年に続いて今年も部員不足の解消には遠く、先に名前をあげた早慶日とは選手層という点で少し劣り、特に3番艇に差があるか?

昨年、久々に全日本の舞台を踏んだ立教と全日本出場に執念燃やす明海はここ数年絶えず部員を増やしているし、元々部員豊富な横浜国とジュニア以来の経験者が入学(入部は現在のところ不明・後述)したと伝えられる東大までの国立勢の健闘にも注目したい。

スナイプ級

昨年の全日本インカレでこのクラスで初優勝を果たした早稲田は、古谷(主将4年福岡第一)、木内(4年湘南)、加藤(2年海津明誠)と、スキッパー陣全員が健在。前述した六大学戦では優勝したものの、加藤を故障で欠いた五大学戦では中央、慶應に僅差ながら遅れをとった。クルー陣は、鈴木(前主将)、小村の2名が卒業したが、昨年のクラス優勝を経験した芝尾(副将4年日大二)を中心に、激しいレギュラー争いから選ばれた選手が起用されるので影響は最小限か?

その五大学戦でクラス優勝した中央は、昨年の全日本でもクラス4位入賞を果たしており、フロックとは言えまい。部員が少ないながらも両クラスで健闘しているのは立派。特に優勝の原動力となった女子ペアの樋口(4年神奈川学園)/久保(3年平塚農業)組は、先週末に行われた関東女子インカレでも昨年の全日本個人選チャンプ・木内艇(早稲田)を破って優勝しており、エースに成長している。

六大学戦3位、五大学戦2位となった慶應義塾は、中村、小林という2名のスキッパーが卒業したが、国見(4年塾高)、佐藤洋(3年秋田中央)というジュニア以来の経験者がその穴を埋めるので、全日本クラス3位入賞を果たした昨年と比しても大きな戦力ダウンはないだろう。クルー陣も栗林(2年塾高)、渡辺(3年塾高)、田辺(3年塾高)と、高校からの経験者で揃えているのが強みだ。心配なのは、六大学戦を欠場、五大学戦では復帰したものの、唯一残る昨年のレギュラースキッパーでエース格の小島(4年サレジオ)が、骨折で2~3月の冬季合宿期間中、ほとんど練習出来ていない影響がどこまであるか、だ。

森本(主将4年中村三陽)を470からスナイプにコンバートした法政も、エース格に成長した野村(3年唐津西)までは計算できる選手。入学間もないが、3番艇のスキッパーに起用されそうなルーキー角野(1年神奈川ユース)が、頑張れれば圏内か?

一見、昨年全日本をクラス優勝したスキッパー陣が全員残る早稲田が圧倒的優位に思え勝ちだが、成立したのは僅かに3本のみ。慶應義塾、中央、そして法政、日大までは、「条件と出来次第」では早稲田を倒して優勝の可能性は持っていると予想する。

また、昨年まで470級片クラスだった明海が今年から辻堂スナイプの新艇を3杯揃えて「総合デビュー」する。ここ数年、部員不足から片クラスになっていくチームが多い中、久々の明るいニュースだ。その健闘ぶりに期待したい。

余談だが、昨年の「辻堂スナイプ旋風」に刺激されたか、オクムラでも新型デッキと新型マストの開発・製造に着手しているという話が伝わっている。これは470には無い話題で、興味をひく話ではある。

<特ダネコーナー>

「関東水域での今年の注目ルーキー」

例年、総体・国体チャンプクラスが入学を果たす関東各校であるが、今年は、女子の総体チャンプペア(山口・谷口、両名とも長崎工、ちなみに、関東女子インカレでは山口は4年生の井上をクルーに470級優勝)が早稲田に入学したと聞くくらいで、やや小粒の感がある。

しかし、この春からいきなりレギュラーとしてデビューし、「エース格」としてチームを牽引しそうな選手を取りあげて紹介しよう。

明治大
成田有沙(葉山町ヨット協会ジュニアレーシングチーム出身)
葉山町ジュニアでOP~420級、高校時代は3年連続で国体SS級神奈川県代表。高校ヨット部所属ではなく、総体不出場組なので盲点になり勝ちだが、小学生の時より鈴木誠コーチ(昨年、福岡で開催された470級全日本選手権で中学生の息子をスキッパーに「親子ペア」で出場し、ゴールドフリートに残って話題を提供した)が、10年間手塩にかけて育ててきた選手で、実力は間違いなくアリ。470にも鈴木コーチをクルーに中学時代から乗っており、高校時代は関東選手権、全日本選手権にも複数回の出場経験がある。入学間もなく、先週の関東女子インカレを欠場した理由も不明ではあるが、いきなり明治470チームのエース的存在になれる器とみる。

東大
塩島太郎(栄光学園・KMC横浜ジュニアヨットクラブ出身)
何と、ジュニア以来の経験者が現役合格という快挙の報が伝わってきた。その後、入部したかは不明だが、ジュニア・ユース時代に、このところアジアのジュニア・ユースセーリング界で最強を誇るタイでのヨットクリニックを体験しているのが強みだ。
是非とも神宮の森じゃなかった、森戸の浜に「赤門旋風」を巻き起こしてほしいものだ。

成城大/熊川均(成城学園)、立教大/小宮悠(関東学院六浦)
両名ともジュニア時代(江の島ヨットクラブジュニア)にOP級の全日本チャンプになった経歴を持つ。(小宮選手は2連覇)ともにスナイプでのデビューとなりそうだ。活躍が楽しみ。

以上、各位、各校の健闘を祈る。

合掌

外道無量院

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